耳垢動画に、愚痴配信。わがままに過ごす女優、タレント・二瓶有加のスキマ時間に迫る
Writer:高山 諒
耳垢動画に、愚痴配信。わがままに過ごす女優、タレント・二瓶有加のスキマ時間に迫る - 二瓶有加

どんなに忙しい日々でも、わずかに生まれる「スキマ時間」。本連載『みんなのスキマ時間』は、忙しそうな「アノ人」のスキマ時間の過ごし方を聞いていく連載です。

今回登場していただいたのは、女優、タレントの二瓶有加さん。
佐久間宣行プロデューサーが手がけるYouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」で、芸人と共演した動画がバズり、バラエティをはじめ各所からひっぱりだこの彼女。
そんな彼女は仕事の合間の「スキマ時間」をどのように使っているのでしょうか?


二瓶有加プロフィール画像

二瓶有加(にへいゆうか)

1995年10月20日生まれ、東京都出身。2016年にPINK CRES.のメンバーとしてデビュー。ユニットでの活動後は女優、タレントとして幅広く活躍している。佐久間宣行プロデューサーが手がけるYouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」で芸人から“ニへラチオ”というあだ名をつけられる動画がバズる。芸人との掛け合いに定評があり、現在各所から注目を集める。



日常に変化を与えた“ニへラチオ”。

二瓶有加にインタビュー


── 本日は二瓶さんの“スキマ時間“についてお伺いしていきたいと思います。でも、YouTube『佐久間宣行のNOBOCK TV』でブレイクされてから、スキマ時間もないぐらいお忙しいのでは……?

二瓶:いえいえ、スキマ時間に関してはびっくりするぐらい変わってないですね……。こうしてインタビューの機会を作っていただいたり、グラビアやドラマに出させていただいたりと、お仕事の幅はこの1年ですごく広がったんですが、プライベートは本当に何も変わらないですね。

── ちなみに、YouTubeの反響はいかがでしたか?

二瓶:現場で「あ! あの二瓶さんですか?」と言われる機会が多くて、多くの方に動画を見ていただいているんだなと実感しますね。本当にありがたいです。
たまに「ニへラチオの人だ!」と雑に下ネタをぶっこまれることもありますね(笑)。
それにいろんな人からDMも来るようになりました。J2のサッカー選手とか、有名人の弟とか、あとは……

── ……ちょっとどこまで書けるかはわからないので、早速スキマ時間についてお聞きしたいと思います。

知らない人のライブ配信にコメントし、耳垢を愛でる朝

二瓶有加のスキマ時間は?


── 朝起きたら、「SNSを見てボーっとする」?

二瓶:主にTikTokライブを見ていることが多いんですが、3人ぐらいしか観ていない配信者にコメントしたり、耳垢動画を見たり、そういう感じで過ごすことが多いですね。

── 3人ぐらいしか観ていない配信者にコメントする?

スキマに挟まる笑顔の二瓶さん
スキマに挟まる笑顔の二瓶さん


二瓶:私、全く関わりがなかった人と少しでも関わりたいという謎の欲求があるんです。ホストとか大学生とか、他人がどんな生活をしているのか知りたいんですよ。ただ、対面で会うのはなかなかハードルが高い。でも、コメントだったら簡単にコミュニケーション取れるので、ついコメントしちゃうんですよね。しかも視聴者が少ない方が良い。コメント欄が盛り上がってないから「私がなんとかしなくちゃ」という気持ちになるので。

── どんなコメントをしているのですか?

二瓶:「どこから配信してるんですか?」とか「何飲んでるんですか?」とかは定番です。コメント欄が途切れそうになったら、急いで私が「好きな料理はなんですか?」とコメントして、「僕たまに天津飯を作るんですよ」とかうれしそうに答えてくれる(笑)。「今私に向けて配信してくれてる!」というのがたまらないですよね。
ただ、コメントをするだけじゃなくて、もしコメントが途切れたらどんな立ち回りをするんだろうと、あえてコメントせずに突き放したりもします(笑)。

笑顔の二瓶さん
特殊な癖(へき)をうれしそうに語る二瓶さん


── 耳垢動画を観る、というのは?

二瓶:これはスッキリするために観てますね。「どうやって溜めたの!?」ってくらい、3年分とか耳垢を溜めてる人がいて、その耳垢が取れる瞬間とか最高に気持ち良いんですよ。
最近はTikTokのアルゴリズムが耳垢に最適化されちゃって、スクロールするたびに「耳垢」「話題の動画」「耳垢」というのが私のTikTokですね。

地元でチャージ、ファンクラブはふるさと。

公園にてスキマから覗く二瓶さん


── 夜は「友達との飲み」とありますが、これは頻繁にあるのでしょうか?

二瓶:ずっと実家に住み続けているので、いまだに地元の友達と遊ぶことが本当に多くて。仕事が終わったら、「食材買ってくから鍋パしよ」と友達の家に押しかけたり(笑)。
いつも決まったメンツなんですが、最近は友達の旦那さんとか彼氏さんとか、いろんな方が謎に年々増えてきて、みんなで食べたり飲んだりしてます。

── 地元の繋がりがずっと残っているのは素敵ですね。

二瓶:みんな子どもの頃から知っていて付き合いが長いはずなのに、なぜか話が尽きないんですよね。でも年齢を重ねるとトピックスも大人になってきて、今まで出てこなかった旦那さんや子供の話とか。地元のみんなの話を聞いてると「みんな大変なんだな、私も頑張ろう」と前向きになれます。

公園でリラックスの二瓶さん


── そのあとはまた「一人飲み」とあります。

二瓶:自分ではその気はないんですけど、なにかと神経を使いがちなので。特にお仕事の方との飲み会となると、うまく酔えないんですよね。帰ってから酔いが回って楽しくなっちゃうことが多くて、一人で飲んだり、父親と飲むことが多いですね。で、酔っ払うとファンのみんなと話したくなって、配信を始めるんです。

── 今度は自分が配信する側になるんですね。

二瓶:「にへの町」という自分のファンクラブがあるんですけど、泥酔しながら私の愚痴をみなさんに聞いてもらう時間があります。
「また友達の結婚式があって、今月ご祝儀で6万飛んだ」とか、なんでもない話をしているんですが、大人な方が多いので、「僕もそんな時期がありましたよ」「二瓶ちゃんなら大丈夫」「今は耐えて」といったコメントをくれる優しい方が本当に多くて。無条件に全肯定してくれるファンの皆さんに目一杯甘やかしてもらう癒しの時間です。

── ファンのためじゃなくて二瓶さんのための時間なんですね。

二瓶:ファンの方は第二のお父さん、お母さんのような存在なので、本当に甘やかしてもらってます。話を聞いてもらって、「今日のイベントはもっとこうしたほうが良かったかも」って、仕事の反省なんかもしていますね。

ネガティブな心を変えてくれた“ニへラチオ”

公園の遊具で遊ぶ二瓶さん


── そして寝る前は読書、ですね。

二瓶:このお仕事を始めてから本を読むようになりました。私、どうしても「さっきのツイートにどんな反応来てるかな」とか「インスタ何いいねいったかな」とか、エゴサしたくなっちゃう性格なんですよね。でもデジタルなものから離れる時間も必要だなと気づいて。
自分に対して嫌なコメントとか、思ったより再生数がいかないことがどうしても気になってしまうので、一度シャットダウンして、本の世界に現実逃避する感覚ですね。

── 失礼ながら普段のご活躍をみると、二瓶さんにはひょうひょうとしたイメージがありましたが、とても繊細な部分があるのですね。

二瓶:気にしいではあると思います。ただ、年を重ねて割り切れるようになっているかもしれませんね。もっと昔の方が、周りの人がどう思っているかを考えがちだったんですけど、今はニヘラチオの看板を背負って生活してるわけじゃないですか(笑)。
ありがたくいじってもらえてますし、全部笑い飛ばすぐらいじゃないといけないなって最近は思っていて。

── ニへラチオがネガティブな心を変えてくれたんですね。

二瓶:昔だったら「将来、私が結婚する相手の方がこの動画を見たらどう思うんだろう」とか真剣に考えていたかもしれないですが、最近はそういうこと考えても仕方ないなって。むしろ、「一人の女性としてなかなか貴重な経験ができているんじゃないか」とポジティブに捉えてますね。だって“ニへラチオ”ってあだ名の女性、私ぐらいしかいないですからね(笑)。
もともといろんなことを気にしてしまう気質ではあるんですけど、最近はそれを克服しようと毎日頑張っている感じです。

自分にわがままに、誰にも邪魔されないスキマ時間を

二瓶有加がセレクトした本


── ちなみにどんな本を読んでますか?

二瓶:女性作家さんの本を読むことが多いかもしれないですね。
特に江國香織さんはすごく好きで、読んでいるだけで自分がいい女になったように思えるんですよ(笑)。
恋愛作品が多いのもあるんですが、江國さんならではの擬音語や、女性としての揺らぎや芯の強さがあって、没頭してしまう作品が多いです。
『スイートリトルライズ』や『きみはポラリス』のような、心が穏やかになれるような物語が好きですね。

── 寝る前の時間にぴったりな作品ですね。

二瓶:柚木麻子さんの作品も大好きで、元々読んでいたんですが、友達のでか美ちゃんがご本人を紹介してくれて、すごい嬉しかったですね。

家と家のスキマに挟まる二瓶有加


── スキマ時間を振り返ってみましたが、スキマ時間は二瓶さんにとってどのような時間ですか?

二瓶:仕事の自分と切り離して、自分にわがままに、したいことができる貴重な時間ですね。
今はお仕事をひとつずつ一生懸命にやりたいと思っていて、その原動力はどこから来るかというと、このスキマ時間なんですよね。
スキマ時間に筋トレしなきゃとか、勉強しなきゃとか、自分に何か課すことでチャージされる方もいると思うんですけど、私は自分の気持ちに正直でいる方がチャージできるタイプで。
だから、食べたいものは食べたい時間に食べるし、次の日朝早くても夜更かししたければ夜更かしする。これからも「この時間は誰にも渡さない!」という気持ちで、スキマ時間を楽しみたいです。

ston越しの二瓶有加

Writer

高山 諒