1990年生まれ千葉県出身。フリーランスのライター・編集者。とうもろこしと大学いもとものづくりが好き。最近はレーザーカッターを使ったアクセサリーをつくるのが楽しい。
2024.10.25
「オ・チ〜リ星」から地球にやってきたぷりぷりうちゅうじんさん。地球では、ときにトラブルに巻きまれながらも充実した生活を送っている様子。そこで今回は、そんなぷりぷりうちゅうじんさんに、宇宙人の視点から地球の楽しみ方や人間の魅力をインタビュー。さらに今を生きる現代人へのアドバイスをいただきました。ぷりぷりうちゅうじんさんの脱力しながら地球を謳歌する姿勢に、日々を楽しむヒントが隠れているかもしれません。
ぷりぷりうちゅうじん
ぷりっぷり細胞でできている宇宙人。地球から5,000ぷりぷり光年離れたところにある、桃にそっくりな「オ・チ〜リ星」の出身。日がな一日ぷりぷりして過ごしている。趣味はノリノリダンス。ぷりぷりしているものが好き。
緊急任務で地球にやってきた宇宙人。地球で“ぷりぷり”したものを探す日々
── 本日はインタビューを受けていただきありがとうございます。まずは、ぷりぷりうちゅうじんさんが地球に来たきっかけを教えてください。
ぷりぷりうちゅうじん:故郷である「オ・チ〜リ星」の“プリプリニウム”が枯渇状態になってしまったので、新たにプリプリしたものを見つけるために地球にやってきまちた。「オ・チ〜リ星」の長老から「“プリプリニウム”を探すように」と言われたことがきっかけで地球に来まちた。ほかのなかまはそれぞれ違う惑星で“プリプリニウム”を探していまちゅ。
── なるほど。故郷を救う使命を背負っているんですね。地球で出会って好きになったものはありますか?
ぷりぷりうちゅうじん:1位はおしり、2位はプリン、3位はえびでちゅね。食べ物でいうとポテチも好きでちゅ。ぷりぷりボディを維持するために日頃から食べてまちゅよ。
── 1位から3位は全て“プリプリニウム”のエネルギー源になりそうなものばかり。では、好きな場所はありますか?
ぷりぷりうちゅうじん:歩いていたらコロッケがもらえたりして楽しいので商店街にはよく行きまちゅね。あとはスーパー。試食がもらえるので通っていまちゅ。一度、スーパーでアルバイトをしてみたこともあるんでちゅが、自分で試食を食べすぎてしまってクビになりまちた。“プリクラ”も名前の響きが好きで、前に女子高生と一緒に撮ったことがありまちゅ。
クリック詐欺に遭遇しても、地球での生活をぐうたらエンジョイ
── 早くも地球の生活に馴染んでいるぷりぷりうちゅうじんさん。一方で、地球にきて苦労したことや困ったことはありますか?
ぷりぷりうちゅうじん:一度詐欺に遭ったことがありまちゅ。ある日、暇だったのでインターネットでもしようと思ってぷりの大好きなおしりを見ていたときのことでちゅ。いきなり「ご入会ありがとうございます。入会金100万円になります」というメッセージが出てきまちた。ごくちゅぶし(穀潰し)のぷりにはとても払えない額だったので、問い合わせをしてみたら、「それだけ高いおしりを見たっちゅうことやろ」と言われてしまったんでちゅ。でも、負けじと「ばかたれ! おしりに高いも安いもありまちぇん! おしりに貴賎なしでちゅ!」と反論したら撃退できまちた。
── おしりへの愛が解決に導いたんですね。今は「いいおしり」さんと一緒に住んでいるんだとか?
ぷりぷりうちゅうじん:そうなんでちゅ。いいおしりとは両国を散歩してるときに出会いまちた。お仕事は、トイレの会社のお偉いさんをしているみたいで、ウォシュレットを使っておしりとしての意見を言っているみたいでちゅね。いいおしりちゃんは、ぷりに住むところも与えてくれて、家事もしてくれる人格尻でちゅ。唯一の短所は、お酒を飲むとべらんめえ口調になって、人格が変わること。そうなったらぷりは黙ってそそくさとその場を離れまちゅ。
── いい距離感を保って同棲されている。よく地球侵略のために地球に降り立った「カチカチうちゅうじん」さんともお出かけをしていますよね。
ぷりぷりうちゅうじん:でちゅ。一緒にテーマパークに行ったりもしまちたよ。キャラクターのカチューシャを付けたら「そんなもの頭に付けて人間の思うツボだ!」と怒られまちたけど。最近は伊豆に旅行に行ったりもしまちた。楽しかったでちゅけど、帰ってきたら「やっぱりおうちが一番だな」と思いまちたね。
── おうちでひとりのときはどんなふうに過ごしてるんですか?
ぷりぷりうちゅうじん:基本はぐうたらしていまちゅ。地球には重力があるから体が重く感じてしまうんでちゅ。この前、夕方に起きて焦ったんでちゅが、ぷりには学校も仕事もないということに気付いて二度寝しまちた。起きたら、テレビで昼ドラを見たり週刊誌を読んだりしていまちゅね。たまに「月刊ムー」を読んで勉強したりもしていまちゅよ。音楽も好きで最近よく聴くアーティストはラッパーのBIMさん。いつかぷりも自分のラップをつくってみたいでちゅね。
── ぷりぷりうちゅうじんさんは、地球でお花見やクリスマスなど、季節のイベントを楽しむのが上手な印象があります。地球上で最も待ち遠しいイベントは何ですか?
ぷりぷりうちゅうじん:やっぱりお正月でちゅね。年末年始は人間もお休みしてるから、ぷりも堂々とぐうたらできて幸せでちゅ。ぷりのシルエットに似ている鏡餅を見て、故郷の仲間達に思いを馳せたりもしまちゅよ。
人間の強欲さに思わず共感。宇宙人から見た人間はどんな生き物?
── 地球にきて、人間とも親交も深めているぷりぷりうちゅうじんさん。人間と接していて不思議だと感じることはありますか?
ぷりぷりうちゅうじん:毎日労働をしていることでちゅね。一度人間と入れ替わって会社に行ってみたことがあるんでちゅが、プレゼン中に踊ったり、書類におしりはんこを押したり、勝手に社長椅子に座ったりしていたら、すごく怒られまちた。ぷりには労働は向かないみたいでちゅ。
── では人間に共感することはありますか?
ぷりぷりうちゅうじん:前に「仕事やだよ〜やだやだ〜犬になりたいよ〜」と駄々こねている人を、良かれと思って犬にしてあげたことがあるんでちゅ。そしたら犬になった後も「ホネホネ〜さんぽ〜ホネホネさんぽさんぽ」と同じように地団駄を踏んでいまちた。そういう人間の強欲なところはぷりと同じなんだなあと共感しまちたね。
── もしかしたらその人も日々の仕事で疲れていたのかもしれません。仕事を頑張る現代人に何か一言、言葉をかけてあげるとしたら?
ぷりぷりうちゅうじん:遠く離れた地球に来てわかったことは、あなたのぷりぷりは唯一むにむにだということ! それを忘れずに、いつまでも心のおしりをぷりぷりにしてあげてくだちゃい。ぷりぷりぷりぷり〜
Writer
いちじく舞