1990年生まれ千葉県出身。フリーランスのライター・編集者。とうもろこしと大学いもとものづくりが好き。最近はレーザーカッターを使ったアクセサリーをつくるのが楽しい。
2024.08.13
「さらば青春の光」Youtubeチャンネルや、TBSバラエティ番組「水曜日のダウンタウン」への出演をきっかけに、今やさまざなメディア、広告に引っ張りだこのタレント・ひょうろくさん。一度見たら忘れない摩訶不思議で愛らしい魅力に、癒され、そして夢中になっている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、そんなひょうろくさんの気になる生い立ちから、仕事への向き合い方、今後挑戦したいことをインタビュー。さらに、タイ古式マッサージの施術者としての経験を持つひょうろくさんに実際にマッサージを受けていただきながら、自身を癒す方法なども伺いました。
ひょうろく
1987年生まれ、鹿児島県出身。2012年お笑いコンビ「ジュウジマル」を結成。2020年に解散し、現在はタレントとして活動している。趣味はアカペラ、ギター、映画観賞、バレーボール。特技はイラストと書道。
大人しかった子ども時代。平井堅や長渕剛を聴いて過ごした青春
── 地元鹿児島ではどんな学生時代を過ごされてきたのでしょう。
ひょうろく:基本喋らない大人しい子でしたね。小学6年生のときに小学1年生の子と、普通に遊んでられるような子でした。今でもそうなんですけど、友達の子どもと一日遊んだとしても全く苦じゃなくて。最初は遊んであげているという感覚で過ごしてても、最後の方は遊んでもらう側になってて、気付いたらすごく満足感を得られています。
── バレーボールをされてたということだったので、体育が得意な活発な子だったのかと思いました。
ひょうろく:バレーボールはやってたけど、走ったりするのもすごく遅かったです。リレーで女の子に抜かれたりもしてて。手先を使うのが好きだったので美術や音楽が得意でした。当時CDを買って聴いていたのは平井堅さん。あとは長渕剛さんや浜田省吾さんとか。
── 趣味に幅がありますね。当時、バラエティ番組はご覧になっていたんですか?
ひょうろく:自分から進んでは見ていないです。ただ、兄と姉がいて僕は末っ子だったので、チャンネル争いに勝てなくて、流れていたのを見ていた記憶はあります。今もさらば ※ さんの動画は見たりはしますが、お笑いよりかは動物の動画を見ることの方が多いですね。
※ 芸人「さらば青春の光」さん
失敗が続いた建築会社勤務。だが、嫌だから仕事を辞めたわけではない
── 鹿児島工業高等専門学校で土木を専攻されていたひょうろくさん。芸人になる前は、社会人をご経験されていたとか。
ひょうろく:はい。建築会社で働いていました。最初は、千葉の設計の部署に配属されて。条件を入れたら数字を算出してくれる優秀な設計ソフトがあったんですが、僕はなんでその数字が出るのが原理がわからなくて。勉強しても全然付いていけなかった。それで営業の部長さんに声をかけていただいて、福岡の営業の部署に異動したんです。
── 営業職は肌に合っていましたか?
ひょうろく:めちゃくちゃ怒られました。失敗も多くて。請求書の請求額を300万円足りない状態で提出して契約直前でそのミスに気付く、みたいな。でも、辞める直前は楽しかったです。怒られたお客さんとも徐々に仲良くなれて、仕事にも慣れてきて。だから、嫌だから仕事を辞めたというわけではないんです。
── ではなぜ芸人の道を志したのでしょう。
ひょうろく:本当に誘われたから、というだけですね。楽しそうだし、人生一度きりですし。とはいえ、そのまま仕事を続けていたら結婚して子どもがいたりするのかな、とか考えたりもします。今は楽しいけど孤独じゃないですか。でも、仕事続けてても全然孤独な可能性もあるな、と気付いて。じゃあ、結果今のままで良かったのかもしれないな、というところに毎回落ち着きます。
── ちなみに、「ひょうろく」という芸名にはどんな由来があるのでしょうか。
ひょうろく:最初、響きがカッコいいから「るみ」って芸名にしたかったんですけど、事務所の方に反対されて。で、たまたまその場にいた人が目の前にあった「兵六餅」というお菓子をとって「ひょうろくでいいじゃん」と。周りの人も皆それに賛同して、今に至ります。今でこそ「良い芸名付けたね」と褒めていただけるんですが、実はこだわりは何もないんです。
もし時間が許せば、野生のオラウータンを一ヶ月追っかけてみたい
── 人との出会いを通じて運命を切り開いているひょうろくさん。出会いをポジティブに転換するために心がけていることはありますでしょうか。
ひょうろく:「さらば青春の光」さんもそうですが、周りの方達がたまたま良い方ばかりで。だから僕は自分に優しくしてくれる人に応えたいと思ってやっています。受けた恩を返したいという感じですね。
── 現在多方面でご活躍されていますが、新しい挑戦をするうえで意識していることは?
ひょうろく:一生懸命にやることと、それで失敗したらごめんなさい、という気持ちを持つことですかね。まずは自分のできることを出し切って、それで力になれなかったらもうしょうがないというか。失敗しちゃうことは絶対あると思うので、そのときはそのときだ、と考えるようにしています。
── ひょうろくさん自ら挑戦したいことはありますか?
ひょうろく:野生のオラウータンを一ヶ月くらい追っかけたいです。それを動画におさめたいですね。Youtubeで探してみてもあまり無くて。たまに動物園に一人で行ったりするんですけど、そのときにオラウータンの家族とかを見ると悲しくなっちゃうんですよね。だから、本来はどんな生活してるのかを知りたい。
── 人に管理されている様を見て悲しくなってしまう?
ひょうろく:はい。僕達人間って一種類が進化したわけじゃなくて、いろんな人類がいた中の一種が他を滅ぼして生き残った結果だ、というのを動画で知って結構衝撃だったんです。どんなに平和を望んでていても、僕達は他の種が絶滅した延長線上に生きてるんだって。それを知ったうえで人間に管理されてる動物園に行くと悲しくなっちゃうんですよね。
── 感性が豊か……。だから、ありのまま生きるオラウータンが見たいんですね。普段ご覧になるのはどんな動物の動画なんですか?
ひょうろく:動物の捕食動画とか……。インパラとか水飲んでる最中に真正面からワニに鼻噛まれたりするんですよ。人間も生きてると辛いことがありますけど、生きたまま食べられることってないじゃないですか。落ち込むことがあっても、野生の動物の方がもっと過酷だしなと思えます。
マッサージを学びに現地タイへ。人を癒すことが自分を癒すことに通ずる
── 最近よりお仕事もお忙しくなっていることと思いますが、日々の疲れを癒す日課はありますか?
ひょうろく:やっぱりお風呂が好きです。ただ、今は貧乏性で毎日お風呂にお湯をはれなくて。だから、毎日お風呂に浸かれるようになるのが直近の目標ですね。
── 銭湯もお好きだと伺いました。
ひょうろく:昔は行っていたんですけど、お尻が汚くて自粛しているんです。以前こたつから出ずに生活してたらお尻全体が低温やけどを起こしてしまっていて。人生やり直すとしたら、その時期を選びますね。皮膚交換とかできないもんかなって、調べています。お尻を丸ごと変えられないかな、と。
── 日課繋がりですと、ひょうろくさんはスマートかつ引き締まった身体が印象的なのですが普段から運動はされているんでしょうか?
ひょうろく:いえ、今ついている筋肉はコロナの時期に何もすることなかったので、一ヶ月間くらいひたすらフライパンを持って素振りしていたんです。それで一回めちゃくちゃ筋肉が付きました。筋トレグッズとかなかったので、何かちょうど良いものないかなと部屋を見渡したらフライパンがあったんですよね。一日300回から400回、色んな角度で振り続けました。
── 足ツボマッサージの施術を受けたことを機に、マッサージ店で勤められていたこともあるのだとか。
ひょうろく:はい最初は指圧マッサージ店に勤めていました。ただ、途中でタイ古式マッサージの方が受けていて気持ち良いということに気付いて。どうせなら自分が気持ち良いと思う施術を人にもしてあげたいなと思ってタイに基礎を学びに行きました。
── ひょうろくさんのYoutubeチャンネルにアップされていたタイの記録を拝見しました。レッスンはタイトな日程で取り組まれたんですよね。
ひょうろく:そうなんです。2日間で修了書を渡さないといけないというのもあって、バンバン進めてくれてなんとか修了しました。それで実際に日本のタイ古式マッサージのお店で、お互いを施術し合う講習を受けたんです。正直全然分かってなくて、とりあえず大きい動きのマッサージをしてたら「あんたカッコつけすぎ!」って怒られて。でも結局そこから一年くらい働かせてもらいましたね。
── 「人を癒したい」というモチベーションが続いたんですね。
ひょうろく:そうですね。僕、自分の対してのこだわりってあまり無いんです。でも、人が喜んでたり楽しんでるのを見ると自分自身が満たされるというか。お笑いの活動も、自分が幸せになれるからやってるんだと思います。
協力:pakpon
Writer
いちじく舞